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リーダーシップにおける多様性:

フォーチュン250社取締役会と経営幹部におけるマイノリティと女性



​​​​この10年間で、ビジネス環境は非常に複雑になり、競争が激化しています。企業の取締役会と経営幹部は、規制当局、株主、そして企業の社会的責任を要求する人々による監視の高まりに直面しています。このため、取締役会の構成が重要視されるようになっており、優れたコーポレートガバナンスに欠かせない要素として、取締役会の多様性(ダイバーシティ)が要求されるようになっています。

2013年6月に、ラッセル・レイノルズ・アソシエイツでは、フォーチュン250社の取締役会と経営幹部におけるマイノリティと女性の選任に関する詳細な分析を実施しました。この分析では、フォーチュン250社のうち、株式公開企業229社の取締役会に在籍している取締役全員のプロフィールを調査しました。また、各企業の四つの主要ポストである、最高経営責任者(CEO)、最高財務責任者(CFO)、最高人事責任者(CHRO)、法務責任者(GC: ゼネラルカウンセル)を担当する経営幹部のプロフィールについての検証も行っています。

当社の所見によって、取締役会と経営幹部チームの多様性について、興味深い分析結果と当社の分析をご紹介していきます。​​
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  • 所見その1:フォーチュン250社の株式公開企業における取締役会議席は、依然として白人取締役が圧倒的な割合を占めています。取締役会メンバーの現在の年齢構成を考えると、この傾向は今後、変化する可能性があります。これは、現在の取締役が引退すると、取締役会の構成を刷新するよう、取締役会への圧力が高まるためです。
  • 所見その2:フォーチュン250社の取締役会におけるヒスパニック系、アジア系、女性の取締役の選任は、この1年でやや増えている一方で、黒人取締役の選任数は横ばいです。
  • 所見その3:マイノリティおよび女性の取締役がCEOになる可能性は低いため、取締役会が多様性に真剣に取り組むならば、CEO経験に拘らず、求める要件を柔軟にする必要があります。
  • 所見その4:フォーチュン250社において、多くの企業で、特定の属性グループからの取締役が欠けています。また、フォーチュン250社の取締役会の17%は、白人の取締役だけで構成されています。
  • 所見その5:フォーチュン50社では、それ以外の企業に比べて、マイノリティと女性の取締役の選任数が多くなっています。
  • 所見その6:非常に多様性に富む取締役会が存在することによって、全体の平均値が影響されています。マイノリティと女性の選任に関して、フォーチュン250社の中で最も多様性に富む25社と多様性の著しく低い25社では全く対照的になっているからです。
  • 所見その7:女性と黒人の取締役は、白人に比べて、フォーチュン250社の複数の取締役に就く可能性がはるかに高くなっています。さらに、女性取締役は、人種を問わず、複数の企業の取締役会の役職に就いています。
  • 所見その8:社外取締役におけるマイノリティの選任が増えるにつれて、経営幹部におけるマイノリティの選任も増加します。
  • 所見その9:マイノリティおよび女性のエグゼクティブの数は、経営幹部全体では著しく低く、特に取締役会に参画する主要ポストである、CEOとCFOで少なくなっています。
  • 所見その10:CHRO(人事)およびGC(法務)のマイノリティエグゼクティブは、外部採用によって選任されることが多くなっています。

所見その1:フォーチュン250社の株式公開企業における取締役会議席は、依然として白人取締役が圧倒的な割合を占めています。取締役会メンバーの現在の年齢構成を考えると、この傾向は今後、変化する可能性があります。これは、現在の取締役が引退すると、取締役会の構成を刷新するよう、取締役会への圧力が高まるためです。

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    • フォーチュン250社の取締役会議席のうち、84.4%を白人の取締役が占めています。 
    • 総人口データと比較すると、黒人、ヒスパニック系、アジア系取締役の割合はすべて下回ると共に、女性取締役の割合が著しく少なくなっています。


    • 取締役会議席の約28%は、68歳以上の取締役によって構成されているため、今後5年間で構成が変化する可能性 があります。これは、現在の取締役が引退すると、取締役会の構成を刷新するよう、取締役会への圧力が高まるためです。
    • 現在、68歳以上の取締役会議席のうち、90%が男性で構成されると共に、80%が白人男性です。

所見その2:フォーチュン250社の取締役会におけるヒスパニック系、アジア系、女性の取締役の選任は、この1年でやや増えている一方で、黒人取締役の選任数は横ばいです。


    • フォーチュン250社の取締役の各グループにおいて、近年の選任状況を比較しました。この比較によると、ヒスパニック系、アジア系、女性の取締役の選任が2013年に増加しており、黒人取締役の選任は横ばいでした。
    • 最も選任数の増加を示したのは、女性取締役でした。特筆すべき点として、2013年選任された取締役のうち、22.4%が女性であったのに対して、2012年より以前にフォーチュン250社の取締役会メンバーに選任された女性は18.1%となっています。​

所見その3:マイノリティおよび女性の取締役がCEOになる可能性は低いため、取締役会が多様性に真剣に取り組むならば、CEO経験に拘らず、求める要件を柔軟にする必要があります。



    • 最高経営責任者のポストに就任しているエグゼクティブのプロフィール(フォーチュン250社CEOの93%が白人男性)を鑑みると、マイノリティおよび女性取締役にCEO経験者が少ないことは当然と言えます。フォーチュン250社の男性取締役の67%および白人取締役の65%は、現在または以前にCEOに就任しています。これに対して、現在または以前にCEOに就任している女性取締役は45%、マイノリティ取締役は54%です。
    • マイノリティおよび女性取締役の経歴を見ると、大企業の取締役会メンバーにおける従来のCEO資格要件に見合う可能性は低いとはいえ、取締役会が役職の多様性を高めるために基準を下げている訳ではありません。マイノリティおよび女性はCEO就任率こそ低くなっていますが、学歴は、白人・男性取締役に匹敵するか、上回ることが珍しくありません。このような資格を持つマイノリティや女性で構成された人材は増加しており、取締役会の多様性が進まない理由として、人材不足を唱えることは正しくないでしょう。むしろ、多くの場合、多様性への関心、積極的な取り組みが欠如していることがあげられます。
    • マイノリティおよび女性の取締役は、学歴、特にMBA、法学位(JD)、アイビーリーグ大学院学位の取得において、ほかの取締役と肩を並べており、場合によっては資格の面で上回っています。
    • 取締役会は、「常連メンバー」の枠を打ち破り、取締役会にふさわしい人材プールをさらに広げる必要があります。ビジネスユニットリーダー、海外地域担当リーダー、さらにはマーケティング、財務、人事、ガバナンス、デジタル、学術などの分野における専門知識を有するエグゼクティブであれば、取締役会候補者としてふさわしいと言えます。

所見その4:フォーチュン250社において、多くの企業で、特定の属性グループからの取締役が欠けています。また、フォーチュン250社の取締役会の17%は、白人の取締役だけで構成されています。



    • 取締役会におけるマイノリティと女性の数は、過去1年で増加が見られたものの、依然としてフォーチュン250社の取締役会では、様々な多様性を持つ取締役が選任されていない企業が多数あります。
    • 目を引くデータとして、17%に上る企業で取締役会にマイノリティが全く選任されておらず、さらにフォーチュン250社の7%には、女性取締役が皆無という事実があります。
    • 取締役会の実に33%に黒人取締役がおらず、59%にはヒスパニック系取締役、75%にはアジア系取締役が存在しません。​

所見その5:フォーチュン50社では、それ以外の企業に比べて、マイノリティと女性の取締役の選任数が多くなっています。


    • 社会の厳しい要請もあり、フォーチュン50社の取締役会が人種とジェンダーにおける多様性に富んでいることがわかります。
    • 取締役に就任するマイノリティおよび女性の双方に関して、当社の分析で明らかになったのは、フォーチュン50社以外の企業においては、多様性の度合いが低くなる、という点です。
    • この所見によって示唆されるのは、社会の注目が高まるにつれて、多様性を向上する努力をしている、ということです。フォーチュン50社が注目を集めるのは必然と言えますが、それ以外の規模が下回る企業の取締役会、及び経営幹部チームが「早急な多様性」の実現に取り組むことが必要になってきます。

所見その6:非常に多様性に富む取締役会が存在することによって、全体の平均値が影響されています。マイノリティと女性の選任に関して、フォーチュン250社の中で最も多様性に富む25社と多様性の著しく低い25社では全く対照的になっているからです。


    • マイノリティ取締役(黒人、ヒスパニック系、アジア系取締役)は、フォーチュン250社全体の取締役議席のうち、平均15.2%を構成しています。一方で、多様性に最も富む25社を見てみると、マイノリティ取締役が32.4%を占めています。これと対極に位置する、多様性が著しく低い25社では、マイノリティ取締役は一人も選任されていません。
    • ​この所見は、女性取締役についても当てはまります。フォーチュン250社取締役会の平均値としては、女性が18.2%を構成するのに対して、多様性に最も富む25社では33.9%を占める一方で、多様性の低い25社ではわずか3.2%となっています。
    • この所見が示すのは、多様性は達成可能な成果である、という点です。つまり、多様性という目標にエネルギーと能力を注いでこそ、目標が達成されるということです。上位企業が多様性に富む人材市場を独占しているわけではありません。取締役会における多様性の向上は、明らかに達成可能なゴールである、という点です。

所見その7:女性と黒人の取締役は、白人に比べて、フォーチュン250社の複数の取締役に就く可能性がはるかに高くなっています。さらに、女性取締役は、人種を問わず、複数の企業の取締役会の役職に就いています。



    • 黒人の取締役は、白人に比べて、フォーチュン250社の取締役会の複数の役職に就く可能性が高くなります。
    • さらに、すべての民族グループにおいて、女性取締役は、男性に比べて、取締役会の複数の役職に就く可能性が高くなっています。
    • 黒人女性、ヒスパニック系女性、黒人男性の取締役は、取締役会の複数の役職に就く可能性が最も高く、それぞれ34.2%、20.0%、19.8%の取締役がフォーチュン250社取締役会の複数の役職に就いています。
    • また、企業が自社の取締役会の多様性の向上を目指す際に、「常連メンバー」に安易に頼っていることが伺えます。企業は取締役会候補の人材プールの要件を定義する際に、さらに創造性を発揮する必要があります。経験者だけに固執するのではなく、間口を広げて、マーケティング、財務、人事、ガバナンス、デジタル、学術といった戦略的に重要な分野における専門知識を有するエグゼクティブを検討することが求められています。それによって、取締役会の多様性が高まり、より企業経営に効果のある貢献ができるからです。​

所見その8:社外取締役におけるマイノリティの選任が増えるにつれて、経営幹部におけるマイノリティの選任も増加します。



    • 取締役の中のマイノリティと、経営幹部のマイノリティの人数には明確な関連性があります。マイノリティ取締役がいないフォーチュン250社では、エグゼクティブのうちマイノリティが占める割合はわずかに1%です。翻って、3人以上のマイノリティ取締役がいる企業では、経営幹部の10%がマイノリティとなっています。
    • 多様性に富む取締役会を目指す企業は、経営幹部の多様性がさらに高くなっています。つまり、取締役会の多様性の推進はガバナンスだけの問題ではなく、経営幹部の多様性のレベルを高めるためにも重要な要素なのです。
    • さらに、C-suiteの経営幹部チームの多様性を高めることは、好ましい循環を生み出すことになります。C-suiteの多様性が高まれば、取締役会候補の人材プールも多様性が高まるからです。

(1) 検証した経営幹部ポストは、CEO、CFO、CHRO、GCです。

所見その9:マイノリティおよび女性のエグゼクティブの数は、経営幹部全体では著しく低く、特に取締役会に参画する主要ポストである、CEOとCFOで少なくなっています。



    • 取締役会の役職に加えて、当社の分析では、フォーチュン250社で経営幹部の主要ポスト(CEO、CFO、CHRO、GC)に就くマイノリティと女性の割合を調査しました。 
    • CHROに就く女性を除けば、マイノリティと女性の数は、当社が調査した経営幹部のすべてのポストにおいて著しく少なくなっています。
    • マイノリティおよび女性の数は特に、社外取締役会への参画につながる可能性が最も高い二つのポストである、CEOとCFOで少なくなっています。
    • さらに、マイノリティはフォーチュン250社の取締役会議席の15.2%を占めますが、フォーチュン250社のCEO、CFO、CHRO、GCの役職に就くのはわずかに6.2%です。 (1) 検証した経営幹部ポストは、CEO、CFO、CHRO、GCです。

所見その10:CHRO(人事)およびGC(法務)のマイノリティエグゼクティブは、外部採用によって選任されることが多くなっています。



    • フォーチュン250社のマイノリティの経営幹部は、白人の経営幹部に比べて、社外から役職に就く可能性が高くなっています。
  • CHROの場合、マイノリティの経営幹部の45%が社外採用であるのに対して、社外から採用された白人のCHROは31%になっています。
  • GCについては、さらにデータに明確な差が出ており、マイノリティの経営幹部の58%社外採用なのに対して、白人は38%です。
  • この所見で明らかになっているのは、フォーチュン250社は、次世代にふさわしい多様性に富む経営幹部の雇用、人材育成に早期に取り組んでいない傾向にあるということです。実際、経営幹部を選出する間際に、企業内の人材プールを探すケースも多くあります。一方で、先進的な企業は、多様性に富む人材をキャリアの早い段階から確保・育成するための綿密なプログラムに取り組んでいます。生え抜きの経営幹部を育てるには時間がかかることを考えると(例:生え抜きのCEOが就任するまでの在職期間は平均16.8年)、社内人材の多様性を推進するための取り組みは、マネジメント層を強化することから始める必要があるでしょう。

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