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グローバル化時代に求められる人材とは?

 



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グローバル化時代に求められる人材とは?



急速にグローバル化が進み、新しいビジネスモデルの創出が求められる中で、年功序列や終身雇用、企業による人材開発をベースとした旧来型の日本企業のモデルは立ち行かなくなっています。また、ビジネスマン個人も専門的な知識や技術を身につけ、自らの力でキャリアを積んでいかなければ生き残れない時代になっています。

一方で、日本企業と日本人は、相互に助け合うという仕事のスタイルや独自の技術など優れた特性をたくさんもっているにもかかわらず、世界を舞台にすると、言葉の問題やマネジメントスタイルの違いなどから、十分にその強みを発揮できないケースがあります。

そこでラッセル・レイノルズ・アソシエイツ・ジャパンでは、まさに世界を股にかけて活躍するエグゼクティブの方々にお話をうかがい、グローバル化時代に求められるビジネスマンの人物像と企業のあり方についてリサーチいたしました。

グローバル人材の定義

—異文化における理解力とコミュニケーション力

​ 近年、「グローバル化」という言葉がよく聞かれるが、実際のところ、それらの意味するものは何なのだろうか? ブラジル、インド、中国をはじめとする新興国の躍進により、グローバル化=アメリカ化とも一概には言えなくなった。また、業態はもちろん、会 社の置かれる環境によって、「グローバル化時代に求められる人材像」と、「グローバル人材の育成の仕方」が異なるのは当然のことであろう。しかし、世界で戦い、そして勝ち抜いてきたエグゼクティブの方々にインタビューする中で、業種や人材開発の手法が違っても、そこにいくつかの共通項があることが見えてきた。
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本レターではまず、「グローバル化時代に求められる人物像」にフォーカスして、考察していきたい(「グローバル人材の育成の仕方」については、次号にて考察していく)。

世界で活躍するグローバル人材が有する能力は、2つに大別することができる。1つが「異文化を理解する能力」、もう1つが「異文化とコミュニケーションし影響力を及ぼす能力」である。つまり、グローバルな人材は、出身国や文化的背景などが異なる多様な労働環境の中で、相手と自分との違いを理解して受け入れ、自分はこれだけは誰にも負けないというスキルをもって渡り合い、ともに協力して仕事を成し遂げる力をもっているのである。そして、この2つの力が企業のグローバルな成長に結びついているのである。

では、「異文化を理解する能力」と「異文化とコミュニケーションし影響力を及ぼす能力」を体得するためには、どんなキーワードがあるのだろうか?「異文化を理解する能力」では

1)グローバル英語力、2)セルフスターター、3)柔軟性、そして「異文化とコミュニケーションし影響力を及ぼす能力」では 4)コミュニケーション能力、5) スペシャリスト、6)事業構想力の6つである。

以下、6つのキーワードについて、それぞれ具体的に掘り下げていきたい。

異文化を理解する能力


1)グローバル英語力 グローバルの舞台に立つためのスキルとして真っ先に挙げられるのが英語力である。これは誰しも頷くところであろう。しかし単に、英語が上手であることが重要なわけではない。話の内容が伴わなければグローバルな世界では通用しないのだ。それに加えて、2つの大事な要素がある。

1つは、日本人としてのアイデンティティをしっかりもつということである。日本の歴史や文化、そして日本人特有の習慣や考え方を十分に理解したうえで、異文化の相手に対して明確に説明できるかどうか。それが日本人としてのアイデンティティであり、グローバルチームの中で異文化の相手を理解するための基礎となる。

もう1つは、コミュニケーションの手法。日本人は概念的な話が多いが、異文化の相手、特に欧米人は各論に踏み込んでいくので、具体的な部分に話が及ぶ。すると、概念的なロジックを展開する日本人ではとても太刀打ちできない。グローバル企業から本邦の外食フランチャイズを展開するグループ企業のトップに就いたA氏も、「外国人とビジネスをするときには、ホワイトボードに戦略と戦術を記載しながらディスカッションをするなど、具体的各論に踏み込んで話すことがとても重要」と力説する。グローバル英語力とは、上述のようなものなのである。

2)セルフスターター 従来の日本企業では、年功序列制度により必然的に上司の指示待ちで受け身の人間ばかり育つ傾向があった。だが、グローバルの世界では自分から課題を見つけ、目標に向け取り組んでいく人物、すなわちセルフスターター・タイプの人間でなければ活躍できない。実際、世界で活躍する人材は、自分のお金と時間を使ってMBAを取得するなど自らのスキルアップを図ったり、社内の困難なプロジェクトに自ら飛び込んだり、経験を積むために転職を行ったりと、自分自身の価値向上に努めている。本邦の大手飲料メーカーの副社長は、「往々にして、会社に費用負担や研修プログラムがあるかと聞いてくる人間に限って見込みがない」と語る。

とはいえ、何から手をつけたらいいかわからないという人もいるだろう。それでも同氏はこう述べる。「仮に自分の目標がわからなくても、そのためにいろいろなことを考えるプロセスにこそ意味がある」と。それが第一歩なのだ。

3)柔軟性 目まぐるしく変化するグローバルの世界で企業が成長していくうえでは、柔軟な思考と行動が非常に大切になる。しかし、決められた枠の中で与えられた仕事ばかりしていると、スピードや変化についていけなくなってしまう。それを回避するためには、なるべく若いうちに異文化を体験することが大事。頭の柔らかさや、まったく違う環境に放り込まれても乗り越えていくガッツを身につけられる。世界有数の外資系製薬会社の人事担当執行役員は、「若いときに海外の異なる文化の中で揉まれた人材は、企業としてその人物のキャリア開発をフォローする意義があると考える」と述べている。

また、ある世界で成功しても、その体験に依存しているだけでは、異なる世界での成功は覚束ない。この点について、本邦の世界的情報機器メーカーのトップは、次のように語っている。「企業がグローバルな競争で勝つためには、1つの成功体験を土台にして、さらに進化したビジネスモデルを構築しつづけなければならない。そのためには、個人個人が柔軟な発想と行動力をもたなければいけない」と。

異文化とコミュニケーションし影響力を及ぼす能力

4) コミュニケーション能力 日本人同士であれば言葉に表さなくてもあうんの呼吸で分かり合えるバックグラウンドがあるが、異文化の相手にはかみ砕いで論理的に説明しなければ納得してもらえない。ともすれば日本人は相手の立場を思いやりながらディスカッションをするために、きっちりとした結論を出すことを嫌う傾向もある。

しかしグローバルな世界では、ロジカルに思考プロセスを組み立てることがコミュニケーションをとるうえで大切になる。さらにグローバル競争下では、相手を自分に従わせるくらいの影響力を及ぼすことがコミュニケーションを通じて必要となる。先に登場したA氏によれば、相手に自分の意思を明確に伝えるプレゼンテーション技術もコミュニケーションには必要で、例えば「アンサーファーストで説明をすることと、自分の考えを文字や図表にすることが重要」と語っている。

5)スペシャリスト これまで述べてきたように、グローバルの世界では、自分の主張を相手に伝え納得させることが成果果を出すためにはとても大事になる。この点について外資系ヘルスケアメーカーの人事本部長は、「言葉が拙くても、彼の話には骨がある、中身があるということがわかれば、欧米人は話を聞く」と述べる。つまり、ある特定の分野で「自分はこれだけは誰にも負けない」という専門的なスキルをもっているスペシャリストであることが求められるのである。

これまで日本企業は万能型のジェネラリストを育てる傾向にあったが、アメリカは若いうちから1つの分野を全面的に任せる。ただし、権限を与える代わりに責任もとらせる。このメリットについて、企業のターンアランドを請け負っている法人の経営者は、「常に自分の判断で動いて生きるか死ぬかの勝負をしているので、個人の成長も速いし、それが会社の力にもなる」と言う。ジェネラリストでは、そういった相手には太刀打ちできない。したがって、若いうちから意識的に自分の得意分野を見つけ、伸ばしていく努力をしなければならないし、企業もそういった環境を作ることが大事になる。

6)事業構想力 最後にもう1つ、身につけなければならないことがある。それは個人の経験とスキルを土台に、会社の収益と成長に結びつける発想力だ。先に登場した本邦の世界的な情報機器メーカーのトップの言葉を借りれば、「事業構想力」である。グローバル企業では個別最適でなく、会社全体の収益と成長に貢献できるように全体最適を考えて個人個人が動けるかどうかという「事業構想力」を大切にしているのだ。

今の時代、技術や商品といったハードの差別化だけでは付加価値につながらない。これからは、それをベースに、新しい事業やビジネスのモデルを作り上げることが必要になる。この点に関して同氏は、「そうでなければ、グローバルの世界で個人も会社も生き残れない」と断言する。全体最適を常に意識することで自然と個人の視野が広がり、事業構想力の発揮につながるのである。

個人も会社も、以上のポイントを念頭において研鑽し、自分のものにして、グローバル化時代を乗り越え、かつ謳歌していっていただければと思う。

この度、ラッセル・レイノルズ・アソシエイツ・ジャパンがニュースレターを発刊するにあたり心がけたことは、ビジネスの第一線で活躍するエグゼクティブの方々の肉声をなるべくダイジェストにお届けしようということでした。それは、彼らの実体験を通し、Fact(事実)として認識されている“リーダー”の在り方を伝えることが重要だと考えたからです。そして、企業のトップおよび経営幹部の方々が、思いのほか同業他社あるいは同じような立場の方々と本音で語り合う場をもっていないと感じたからです。そこで弊社の強みを活かして、さまざまな業種のエグゼクティブの方々が今、本当のところ何をどんなふうに考え、行動しようとしているのかお伝えできればと思ったのが、本レターを発刊するにいたった経緯です(そのため、ご登場いただいた皆様のお名前は伏せさせていただきました)。

第1号では、日本企業の海外進出、あるいは外国企業の日本進出の勢いが増している昨今の状況を鑑みて、「グローバル人材の定義—異文化における理解力とコミュニケーション力」に焦点を当てて取材し、考察してまいりました。紙幅に限りがありますゆえ微妙なニュアンスまで伝えきれなかったところもご ざいますが、必要不可欠なエッセンスだけは漏らさずお伝えしたつもりです。本レターが、お読みいただいた皆様の何がしかの一助になれば幸いです。また、感想や問い合わせなどお寄せいただければ望外の喜びです。最後に、インタビューを快く引き受けてくださった皆様に感謝申し上げます。

Authors

輿石幸広(Yukihiro Koshiishi)—ラッセル・レイノルズ・アソシエイツ・ジャパン・インク東京オフィスにて、マネージング・ディレクターとして、日系および外資系企業のCEO(最高執行責任者)を始めとするC-Levelのサーチ案件を担当しております。また、プライベート・エクイティ・ファンドのバイ・アウト後のCEOサーチなども手がけております。

斉田栄将(Shigemasa Saida)─ラッセル・レイノルズ・アソシエイツ・ジャパン・インク東京オフィスにて、マネージング・ディレクターとして、日系および外資系企業のCEO(最高執行責任者)・社長、最高財務責任者、最高人事責任者をはじめ事業部長・営業責任者・マーケティング責任者やR&D責任者など上級管理職に特化して、幅広くエグゼクティブ・サーチを担当しております。
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